先日、東京からお友達家族が沖縄に遊びに来てくれて一緒に遊びました。 もりおさんとゆめこさんとうみおちゃん2歳(仮名)の親子3人です。 もとはもりおさんが私のだんなさんとバイト先での友達で まだお互い独身だったころゆめこさんと4人でごはんを食べ、 そこで婚約発表してくれて それで二人の結婚式に独身だった私たちが出席しました。 だんなさんの友達はおもろい人が多いのですが、 もりおさんは群を抜いてへんたいっぽい人です。 (へんたいっていうのは私の中では最上級に近い褒め言葉です。) それで、お食事した時も、 だんなさんともりおさんでへんたいくらべっこみたいなのをしていました。 例えば、彼女(私やゆめこさん)をどのくらいかわいくてしょうがないか、くらべ、とかね。 そんなへんたいなもりおさんの奥さんであるゆめこさんはというと とーぉってもおっとりしていて、ずーっと笑顔で、それでいて へんたいなもりおさんのことがやはり大好きでしょうがない人です。 結婚式はとても盛大で、ちゃんとプロの司会の人がいましたが 花嫁のエピソードのところで司会の人が 「花嫁から、これは私の人生で一番がんばったことなので、 絶対に言ってくださいと言われたエピソードです。 バイト先でご主人と知り合った花嫁は、絶対にこの人と結ばれたいと思い 本当に努力をしたとのことです」 というところがものすごく印象的で、ずっと忘れられません。 ガツガツした人が、結婚でトクしたいわ、とかこの男をゲットしたいわ、 みたいな風に語られたら本当に下品に聞こえただろうと思うのですが ゆめこさんの清らかでキラキラした人柄から聞こえたエピソードは 本当に美しく、感動的でした。 私たちが最後に会ったのはうみおちゃんがまだこの世に来る前だったので 再会はけっこうと久しぶりでした。 それで、到着した日の晩に那覇で一緒にごはんを食べました。 2歳のうみおちゃんが絶好調なので、ほとんど大人の会話はできませんでした。 だけど、家に帰ってからも、心の中に「たのしかった~」という感覚が残りました。 なんだろう、この感じは…という感じでした。 引っかかるものがなにもなくてとてもすっきりとしあわせです。 それから、だんなさんがお休みの日には 私たちが一週間で一番早く起きる時間よりも少し早いくらいに電話があり 今那覇のホテルを出ましたと言われました。 大急ぎで出かける支度をして、ようやくなんとかなったころ 3人は到着しました。 二人とうみおちゃんがどんなところが楽しいのか、今ひとつつかめなかったので まずはうちの周りでもさんぽしてみようか、ということになりました。 うみおちゃん、カメさんとお魚見る?と聞くと(うちの前のどぶ川で、ですが) 「お魚?サメもいるかな」とウキウキしています。 2日前に行ったちゅらうみ水族館みたいなのを想像しちゃったみたいでした。 その日はいつにも増してものすごい日差しで、 朝でしたがUVカットのパーカーを着ていても肌が焼けて痛いくらいです。 うちの前の橋の上まで来ると、干潮で水がほとんど浅い水溜りのようなところに これでもかというくらいのおびただしい数の魚が群れをなしています。 私はいつもどうしてもこれを見るのがおもしろくて、橋の上で止まって見てしまいます。 すると、ゆめこさんが炎天下で帽子もないままの姿で 橋から下をじーーーーっと見て「すごーい。おもしろくてあきない~。」… だんなさんともりおさんとうみおちゃんはゆっくりと先に行っていましたが 私とゆめこさんは橋の上から言葉もなくずーっと魚をみていました。 しばらくすると、だんなさんともりおさんが「来て来て!カワセミがいた!」と叫びました。 行ってみるとコバルトブルーのカワセミが2羽、連れ立って飛んでいます。 カワセミは何度か姿を見ていますが、2羽一度には初めてです。 それから今度はおじいちゃんと孫二人で蝉取りをしているところに出会いました。 お姉ちゃんは5歳、弟は2~3歳くらいかな。真っ黒に日焼けして、 野生っぽいとてもかわいい顔立ちです。 ここらへんの子供はみんなそうですが、大人がいるとすぐに話しかけてきます。 この子たちもすぐに私たちの仲間に入ってきました。 お姉ちゃんは「カメね、わたしが呼ぶと来るよ!(気合いを入れて)カメこーーーーい!」 ぴんと透き通った声で精一杯叫びました。 カメは知ってか知らずか、なんとなくこちらのほうに泳いできます。 「ほらね、呼んだら来たよ。(気合を入れて)カメ、こーーーーーーーい!」 この間おじいちゃんは私たちには目もくれずにセミを追いかけていました。 おじいちゃん、孫の世話じゃなくて、自分がセミとりたい一心なのね。 私たちが来た道を戻ろうとすると、 きょうだいは手を振って「バイバーイ!」と見送ってくれました。 20分にも満たないようなお散歩ですが、とてもほかほか楽しかった。 それから南部のお気に入りスポットを廻り、最後は大きなお風呂に行って あっという間に日は暮れました。 うみおちゃんは車で眠ってしまい、二人と車のそとでお別れを言っていると ゆめこさんは笑顔のまま「なんかさびしくなっちゃったー…」といったかと思うと 大きな目からぽろぽろ涙をこぼしました。 私とゆめこさんは抱き合って、また会う約束をしました。 それから数日間、私の胸のあたりには、 まだゆめこさんのやさしい気持ちがくっついています。 ゆめこさんとは多分全部で3回くらいしか会っていなくて まともに込み入った話しすらしていないのに どうしてこんなに安心なんだろう、と何度も考えました。 お昼を食べていた時にだんなさんともりおさんがお店のお庭でうみおちゃんと遊んでいたとき 二人で少しお話しをしました。 その時ゆめこさんは「ひげおさん(うちのだんなさんの仮名)もやさしい。 やっぱり、やさしさって大事なポイントですよね。 私やさしくない人とだと、うまく一緒にいられないんです。…悲しくなっちゃって。 それで、あとからずっと、考えちゃったりして。 あずこさん(私のこと)と橋の上で魚ずっと見ていられたとき、すごく嬉しかった^^」 ゆめこさんはとても落ち着いていて嫌な顔ひとつしない人なので どんな場面でもどんな人とでも大丈夫なのかと思いましたが そんなことはなかったんだな。 ゆめこさんのおかげで、やさしい人と過ごすことの幸せを改めて感じることができて それがどんなに私にとってすてきで大事なことなのか、よくわかりました。