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紀伊国屋サザンシアターにて

玉川の演劇専攻での同級生、北直樹の芝居を観ました。 『藪の中から龍之介』で、芥川龍之介を演じています。 なんか、久しぶりに芝居らしい深みのある感動をさせてもらって 私の中の感性のpiecesを呼び覚まされた感じ。 直樹の芝居をちゃんと見るのは2度目で 前回は調べてみるともう7年以上前の チェーホフの『かもめ』以来です。 トレープレフという、いい役をやっていて 私はかもめが大好きだし 他の劇団のかもめを結構見ていたんだけど 彼の劇団(青年劇場というばりばりの新劇の劇団です)のは とてもよかったんです。 直樹もその時からよかった。 その前年に、大河ドラマの「葵徳川三代」で松平忠直を演じているのを 私はなんと青森恐山一人旅の最中にホテルのテレビで偶然見て 当時私は家にテレビがなく、全くテレビを見ていなかったので すごくびっくりして 青森のむつ駅から直樹に電話したのを覚えてる。 忠直はその日のゲスト主役みたいな感じで大役だった。 余談だけど私はその時人生でも最大のピンチの時で とにかくどん底の気分だった。 半分死にながら青森まで行っちゃったんだ。 直樹が見れたのはすごく嬉しくて、思わず 「そっか~大河ドラマか~いいね~^^ 私もめざそうかな~・・・」なんて軽く言ったんだ。 そしたら直樹に 「なに言ってんの~、あなたはいい女優さんなんだから、 もっと上をめざしなさい。」と とても静かに言い返された。 私はもうその時は自分が女優だったかどうかさえ わからなくなっていたので ものすごくびっくりして へぇ~、そんなこと言う人がいたんだな~ この世に。 なんて思って、 無人の小さな小さな お花畑に囲まれた あの世の入り口みたいな駅のホームにしゃがみこんで 携帯を握りしめていた。 今振り返ると あれは確実に私をこの世に引き戻してくれた出来事だったような気がする。 多分私はもう、あの時、どっちに行ってもよかったんだと思う。 昨日の芝居の話し。 だんなさんと二人で席に着こうとすると 座席に封筒が貼ってあった。 中には直樹の手紙。 「悲しいかな、この世界(演劇)を共有できる友人も少なくなってきつつあって、 おみ(私のこと!)の存在は大きいよ・・・。」 おいおい、直樹、私は今世紀もう舞台には立っていないんだぜ。 多分そういう問題じゃないんだろうけどさ。 舞台に立ってる直樹は おかしいんだけど 芥川龍之介そっくりだった。 私は劇中何度も何度も 直樹の魂が劇中の芥川にシンクロするのを感じた。 「直樹、芝居やってきて、よかったね~!」と 何度も思った。 特に、直樹は何も芝居していなかった。 かといってそれは普段の直樹でももちろんない。 直樹が二十数年間役者という生き方をしてきて 生き様がちょうどよくその芝居の芥川とシンクロするのだ。 直樹が作ってきた顔のしわとかしみとか歪み方とか そういうのがぴったりなのだ。 直樹の魂が、そういう人生を選び取って 今それを開花させるような出来事を見事に引き寄せたという感じか。 多分、いろんなろくでもない体験をたくさんしたに違いない。 でも、すべては、繋がっているのだ。 私は、芝居って、そういう奇跡の連なりだと思っている。 瞬間芸術、という言葉を直樹がうちのだんなさんに話す時口にした。 そういう言葉を私以外の口から聞くのも久しぶりだ。 すべては過ぎ去る。 魂は過ぎ去るすべての記憶を刻む。 だからどうということはない。 だけどそのpieceが 新たな何かを形作っていく。 私のpiecesはなにを形作りたがっているのだろう。 いづれにしても 深く、ぐさりと、刻まれたいと願っている。 それだけは間違いないのだが。 青年劇場『藪の中から龍之介』まだ見れます


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