以前に書きました、狛江6小6年4組の謝恩会が実現し、東京へ行ってきました。 以前の日記「この世で最もシュールでリアルな夢」 全員見つかる、という奇跡は起こりませんでしたが それに勝るとも劣らないミラクルと最上級のギフトを、てんこ盛りでいただきました。 まず、夜な夜な夢で会っていた二人の親友に32年ぶりに再会することができました。 これが奇跡その一。 担任の岩ちゃんは、33年を経て、全然変わっていませんでした。 そんなばかな。 私たち11歳、岩ちゃん26歳で出会ったわけで 今は私たち45歳、岩ちゃん60歳なわけで。 それが奇跡その二。 でも今日は、私の中の小さな私、当時のオミ(私の小学校から大学までのニックネーム。)に 最大級の感謝とねぎらいを込めて彼女への思いを書くことにします。 私はオミのことをなんとなくいい子だとは思っていたけど そこまですごいやつだとは思ってなかったよ。 思えば高校生になったころから どうしても自分が自分の思うように動けなくなってきて 自分のことに精一杯になって こんなはずじゃない、こんなはずじゃない、と思いながら その後長い年月を過ごした。 その間に私はこころのどこかで、 あのころのオミに対して恥ずかしいという気持ちを持っていたよ。 だってあの時のオミって、どこまで輝いてたんだろう。 本当に自分がいいと思うことは、どんなことだってできたじゃない。 毎日が本当に全力全開で、感じたことをすべて受け入れて 幸せなこと、楽しいこと、みんなが喜ぶことが大好きだった。 でもその後の、思うように行かない人生が長くて長くて その間に段々と、あの時のことは一時的に起こった人生の儚い炎の燃焼だったんだ、 くらいに捉えることにして、 何とか自分をこれ以上嫌にならないよう 人生を心底嫌いにならないようにがんばっていたんだ。 それからいろんな思いをどんどん手放して 心をいつも空にして 人生がまた、明るく清らかになってきた今 突然にあの時の仲間に会えるっていうご褒美がやって来てとっても嬉しかったけど、 それ以上に、想像どころじゃないくらいに あのあとそっと閉じておいた扉をどんどん開けてもらえたんだ。 そうしたら、オミがいたよ。 私が気づけないくらい、たくさんの宝物を私はもらっていたんだね。 岩ちゃんがなにを言い出すのかと思ったら 「ぼくは長い教師生活の中で、オミみたいな子には二度と出会わなかったね。 彼女が6年の前期に児童会の会長をしていたとき、・・(みんなに)してたのね。 その時、朝礼でしゃべるんだ。 普通の子はね、会議で決まったことを紙に書いて読むでしょ。 あの子はね、みんなの前に立って、ねえ、みんな、聞いてぇ!って話かけるんだよ。」 その言葉を聞いたとき、耳を疑うというか、現実が遠ざかるというか なんだかいろんな記憶の壁が崩れ落ちるような気がした。 そうだったんだよ。 岩ちゃん覚えてたんだ。 放課後に岩ちゃんと、クラスのみんなが幸せになるために、 しょっちゅう話し合っていたこと。 「だって、みんなかわいくてしょうがなかったんだもん。」って 岩ちゃんの言葉を聞いたとき、それだったんだ、ってわかった。 なにものにも代えがたい、この宝物の正体。 「私はね、岩ちゃんに愛を教えてもらったと思ってるの。」と言うと 岩ちゃんは、あははは、ってずっこけて笑ったけど その時に両隣にいた男の子2人が、「そうだよ」って言ってくれた。 「あの時はそれが愛だとはわからなかったけど、 大人になって、子供が生まれて、育てていたら、わかったんだよね。 あれが、そうだったんだって。」 45歳と46歳になった男の子と女の子が やかましすぎるほどに大声をあげて笑って泣いた。 小さいオミは先生とこの子たちのことが本当に本当に大好きだったんだね。 今わかる。 この子たちの底知れない優しさ。 みんなそこにいない子の分まで、たくさん思い出そうとしていた。 そこにいない、私たちを育ててくれたお父さんお母さんのことも みんなで口にした。 誰かのうちで食べさせてもらったプリン、たこ焼き、クッキーのこと。 作ってくれたかーちゃんの名前。 感謝合戦みたいにみんなが口にする。叫ぶように。 できるだけみんなに届くように。 「本当にすごい子たちが集まってくれたから。」と岩ちゃんが言った。 男の子も「本当にすごかったよ。」と言った。 そうだったのか。 幻じゃなかったんだ。 トトロのさつきちゃんとめいちゃんの気分。 「ゆめだけど♪ ゆめじゃなかった♪ ゆめだけど♪ ゆめじゃなかった♪」 帰りの電車でも最後の一人になるまでしゃべり続けた。 でも時間は全然足りなかった。 ひとりの女の子が「ねえ、これ、奇跡だよね?絶対に、こんなの奇跡だよね?」と言った。 その子から次の日に届いたみんなへのメールは 「私の人生で結婚と出産に並ぶほどの感動でした。」だった。 何人かの女の子が、オミ、あのときありがとうって言ってくれたね。 幼稚園のときオミが言った言葉だって。 その子がいっつも幼稚園で泣いているのをとっても不思議で、 どんな気持ちなんだろうってたくさん考えたの覚えてる。 オミは「どうして泣いてるの?わたしがいるじゃない!」って言ったんだって。 あの時は幼稚園がこわくてしょうがなかったんだけど、でも、うれしかったんだ、って。 その子は4組になったときはうそみたいに笑顔で元気だったよね。 今ではスクールカウンセラーになってるって、なんだかものすごく嬉しかった。 きっとたくさん乗り越えて、全部栄養にするくらい がんばって生きていてくれたんだと思うから。 それにしても、シモとサミに会えたね。 まるで村上春樹の小説で、月が二つある世界から戻ってきたみたいな気分だよ。 なんだか胸がいっぱいすぎて二人とも全然話せなかったけど 二人に本当にたくさんの宝物をもらっていたことのお礼を これからちゃんと言わないとね。 本当に、こんなにも大好きな友達でいてくれて ちゃんと元気でいてくれて すてきでしあわせでいてくれて なんて言っていいかわからないくらいだよ。 ありがとう。大好き。 みんなありがとう。大好き。 みんなのことがかわいくてしかたありませんでした。 大好きでしかたありませんでした。 みんながあまりにやさしくてすてきでした。 おもしろくてゆかいすぎて、かっこよすぎでした。 会ってみたら輪をかけてそうでした。 岩ちゃんとみんなで仕掛けたタイムカプセルは 土に埋めるよりもすごかった。 時空に仕掛けられてみんなの魂で開けました。 みんなほんとにすごいな。やったね。またやろうね。