みなさん、こんにちは。
前回記事で今季最後の積雪かと書きましたが、なんとその後何度も降りました。あんなに暖かくなってからでも雪積もれるんだ、と、信州岡谷の冬の底力を見ました。そして昨日の八ヶ岳は見事な雪化粧でした。久しぶりに諏訪大社の上社本宮と周辺をゆっくり散策しましたが、改めて本当にいいなあと感じました。ちなみに日中は春ですが今朝は0度でした。季節の微妙な移り変わりをゆっくり楽しめています。
世の中は相変わらずの、と言っていいのか、ぱっとしない感じかな。どうなんでしょう。
真理（真の仕組み）って、なんのために学ぶんでしょう。また心ってなぜ探求するんでしょう。それは、意識しか創造しないから、なんです。真の仕組みは心にしかなく、心を探究すれば、愛しかないところへ行きます。そして、愛こそが本当の自分であり、愛が最強だということがわかるんです。
自分が成人した頃は今と違って経済の花咲く時代でした。高度経済成長の真っただ中で生まれ、右肩上がりが自然だと思って育ちました。その頃私は芝居で身を立てることを志していました。同世代の若者はお金のかかるファッション（ワンレン、ボディコン、ピンヒール、ブランドもののバッグ）や遊びを謳歌し、就職は引く手あまたでした。そんな中で芝居の世界は貧乏で貧乏で仕方なかった。豊かな世の中でわざわざ貧乏を選ぶ方が悪い、というような批判をよく浴びました。
その頃おとなからよく、愛では生きていけないよ、世の中お金だよ、と言われました。そしてそう言う人は決してお金持ちではなかったように思います。
つまりは豊かな時代だったというより、経済信仰が最強の時代だったのでしょう。信仰というのは、それが指針になり目的でもあるという意味です。そしてその信仰は廃れてぱっとしないけれど、他に代わるものが確立されていないがゆえに今に引き継がれているように見えます。
沖縄で13年半暮らしている間、その信仰から離れて生きていたんだなと改めて気づきました。それで自分なりの自然に戻ることができたから楽だったんだと。沖縄には命こそ宝、という言葉があり、言葉だけでなく実際社会の真ん中にその思想があると思います。経済は大事だけど、信仰し仕えるためのものではないという考えが生活に浸透している。それは社会の優先順位にしっかりと反映され、共有されています。経済だけではなく、例えばおかみからのお達しなどに対してもそうです。なんでも鵜呑みにせずに立ち止まって考えて選ぶ、というのが自然です。先のパンデミックの時でさえ皆さん冷静だったなと改めて思います。なにより、見解が違うことに対して目くじら立てる人には出会いませんでした。考えが違っていても私はこう思いこうしています、と話してくださる方はたくさんいました。それはやはり、県民の四分の一の方が亡くなられたあの戦争からの教訓が引き継がれているのは間違いないと思います。
今世の中では財務省解体という考えが共有され浸透してきていて、ようやくお金と権力についての闇があらわになってきたという見方もできます。闇が浮上して明るみに上がり、そして訂正されれば今より良い世の中になる、と考えることもできます。随分長い間こういう時が来るのを楽しみにしてきた気がするのですが、ここまで来ると、やっぱり大した変化ではない気がしています。
お金があれば、お金に困っている人を助けられます。助けてほしい時に助けの手があることはすごく大事です。そしてそうであるためには、それを伝えたり理解したりするコミュニケーションが絶対に必要です。それは本当はお金が少なくても多くても関係ないことなのではないかと思います。
所持金の多少が人の価値と関係するという信仰が根底にある限り、このコミュニケーションは成立しないだろうと思います。
話を戻して。心を探究するといずれは世界がひっくり返って見えるようになります。その逆転を端的に言うならこうなります。
「常に意識が先」。
世界がバラ色に見えるわけでも自分が超人になるわけでもありませんが、この世は投影だということは見えるようになります。そして、そのことを自分がどう見るかによって自分がいかようにもなることがわかります。
そうであるなら自分の気に入った世界を投影したい、と思うのは人情だと思います。でも結局のところ、私たちは自分だけが幸せであることはできません。みんなが幸せじゃないのに自分のことだけで喜んでいられるのは、何も見えていないうちだけです。
心に向き合う私たちの目はやがて開かれていきます。どんなに目を背けても。私たちが目を背けたいのは闇に対してではなく光に対してなのです。やがてすべてが光にさらされ、もはやそこに愛という選択しかありえなくなること。分離した自我を生きる私たち人間が究極的に恐れているのはそのことなのだろうと思います。
ただ愛を選ぶだけで、その恐怖の幻想は消え去るとわかっていたとしても。
