子供の頃、母がよく私たちきょうだいに言い聞かせていた言葉。 特に私たちがぶさいくだったからではなく 私の弟は生まれつき頭から足の先まで青いアザに覆われて生まれてきたからなのです。 もうこはん、と言えば蒙古人種のおしりにある青いアザですが 弟は顔におおたぼはんというアザ、全身にもうこはん、 おまけにおなかには赤いアザがあります。 原因は不明な上に、これらのアザ同士に因果関係はないため 別の種類のアザがいくつも一人の人間に現れるのは奇跡的な偶然と言われています。 それで母はよく私たちに、 人間は見た目(かたち)ではない、大切なのは心なんだ、と教えたわけです。 私は小さい頃から弟と一緒に歩いていると 近所のおばさんたちに「あら汚い、ちゃんときれいにしなさい」 なんて言葉をかけられました。 弟のアザはそれくらい強烈な深い色と形をしています。 そんな時私は、何か言いたい気持ちをぐっとこらえながら 「この人たちはただ知らないだけなんだ」と心の中で自分に言ったものです。 涼しい顔をして、心の中で彼らをゆるしました。 そっと手をつないでいる弟の様子を見ると弟はまったく意に介していませんでした。 無邪気そのものでした。 それから、きょうだいげんかをすると必ず「けんかりょうせいばい」と言われ 理由も聞かず双方却下されました。 相手にしたら負け、相手にしたら自分のレベルが下がるのよ、と言われました。 誰でもそうですが 母親の影響ってものすごいので母の影響をクリアにする取り組みをしてきました。 良いも悪いもとにかく意識して解体していかないと 本当の自分が見えてきません。 でもこうしていったんしっかりと分離できてくると 改めてすばらしい教えに感動を覚えたりできます。