野に咲く花を
鳥の鳴き声を
月の明かりを映す海を
美しいと人は言うのに
人間を、人間の心を、自分自身を、
人はなかなか美しいと認めない。
世界を美しいと感じるのは、心という鏡があるから。
この世で
美しさのための美を喜ぶのは人だけ。
人と神だけ。
この世の美が人を喜ばすように
人は神を喜ばせるために生きている。
自然を美しいと人は言うが
自然はそれを知らない。
里山は、田園は、人を生かして、なお生きる。
公園の木々は人が楽しむのを受けて、なお輝く。
街路樹は、垣根は、人を助けて、なお際立つ。
人がそれを知るとき
命がもう一度生かされる。
人が神を知るとき
人はもう一度生かされる。